賃貸で住んでいるマンションで大規模な工事が始まった。なんでもベランダの柵を一新するのだとか。数百戸もある「昭和」なマンションだから、足場を組むだけでも、もう数週間になる。足場が組まれたうちの南向きのベランダは、どうも薄暗くなりがちで、ピーカンお天気でも「どうも天気がすぐれない」と勘違いを何度か犯している。
ちなみに工事開始前には、ベランダ柵のデザイン案について住民による投票があった。うちは分譲賃貸だから、投票権は家主様にある。ただし、分譲賃貸だけれども、今年は各棟のフロアごとの班長の役回りが回ってきた(x_x)。
家の賃貸と購入にかかる比較についてのエントリを見つけ興味深く拝見(仙石浩明の日記: なぜ、「購入 VS 賃貸」 という比較がナンセンスなのか?)。「夢のマイホーム」「一国一城の主」みたいな、知らぬ間に刷り込まれたバイアスに一旦蓋をして、金額ベースで比較しておられる。
株に投資するなど夢にも思わないような堅実(?)な人が、何の疑問も抱かずにローンを組んでマンション等を買ってしまうのが不思議でならなかったのである(同ページより引用)
株はリスクがあると避けるのに、巨額なローンは「誰もが歩む道」とばかりに平気で負う人々へ抱いていた違和感を拝読しながら、「そうそう」と思い出す。
「同じ払うなら持ち家になる方が良くない?」とは購入派の主たる反応だ。「同じ払うなら」という前提が広い観点で金額的に納得できるならそうだろう。金額的な比較はトラバ先のエントリを参照されると良いだろう。
(ローン金利と同率の) 3% の利回りが期待できると仮定してみる(同ページより引用)
ただ、地価上昇が見込めない点、貯蓄した場合の前提となる利率(いくら何でもローン金利と同じ3%とは、個人的には比較する上で高く見積もり過ぎな気がしないでもない)はエントリ筆者の主観でしかないので充分な注意が必要だ。また、算出に利用されている要素にも、考えようでいか様にもなってしまう部分があると感じるので、金額の大小は気にせず捉えたい。
先が予測しきれないリスクというのは何も金額換算(さらには割引現在価値で比較)できるものに留まらない。購入した物件は、賃貸の物件と比べ移動が困難であることは想像に難くない(無理やり金額換算するならスイッチングコストとも呼ぶべきだろうか)。例えば、隣にどうにも怪しい住人が越してきたらどうだろう、もしくは急に親の介護が必要になり実家へ帰らざるを得ないとしたら。子供が執拗ないじめに遭い転校を余儀なくされたら。生活に必要なものが安く手に入る居住区だろうか、治安は安定しているのだろうか、地盤が緩いだの、河川が近いだの防災上の考慮はなされているのだろうか。住居を購入し定住することは、そんなリスクを一度は一手に引き受けることを意味するのだと考えている(もちろん防災などについては保険などでリスクを転嫁し、低減する手段はあるだろう)。反対に賃貸であっても、家主がトラブルメーカーだとか、うちみたいに風呂が壊れても修理までの手続きが煩雑になりがちだとか、壁に穴があけられないといった「持たない」がためのリスクやコストも当然存在する。
どっちが良いとか悪いとかという話ではない(私個人としては賃貸が楽だ)。ただ、人生で一番大きな買い物だ、「同じ払うなら、それが持ち家になる方が良くない?」どまりで思考停止せず、様々な角度から充分に考え抜く必要があると思うのだ。