5月
2006
一億総SE
「SEが習得すべき~~」、「~~で勝ち残るSEの条件」
書店に行けば、そんなタイトルの書籍が書棚の一画を成すのがやたら目に付くようになった。
一言でSEと言っても組織により、その呼び名は様々(多くの場合、聞いただけではその素性の判別がつかない難解なカタカナ英語で名付けられる)だ。一般的にSEと呼ばれる職種に従事している人とはどのくらい存在するのだろう。
私は中学生の時に初めてコンピュータに触れた。
コンピュータがあれば、絵も描ける、音楽が作れる、ゲームも楽しめる、ワープロとしても利用でき、プログラミングさえ覚えれば、そんなソフトウェア自身すらが自由自在に作れる。
将来は絶対にコンピュータ関係の仕事について、「これ(コンピュータ)でメシを食う」と中学生ながらに決心したものだ。当時は、コンピュータ技術者なんて、ごく一握りの理系エリートの仕事だと想像していた。むしろ、当時のNHKの何か番組で「文系思考のできる理系が将来求められてくるハズだ」という評論が目新しく感じられるほど、「理系理系」した仕事だと思い込んでいたぐらいだ。
さて、既にその頃から10年以上経過し、実際にSEとして業務に従事している現在はどうだろう。
PCはすっかり家庭に普及し、インターネットは社会のインフラとなっている。技術者はといえば、たとえエンジニア然とした人間でなくとも、マニュアル化された研修を受講した「エンジニア」が大量生産されている。しまいにゃ、オフショアリングと呼ばれる、コスト削減を目的とした国外の企業(最近だと中国やインド)へIT分野の業務委託が盛んだ。これはもう、完全にコンピュータだけではなく、それを扱う技術者すら、すっかりコモディティ化されていると言うことができる。
技術的な観点からも同じような調子が読み取れる。開発では、効率向上を目的に「再利用」や「カプセル化」など、中身の仕組みが知らなくともそれなりに開発できるよう部品化するのが一般的である。また、それらをさらに発展させ、「マッシュアップ」や「サービス志向」などといった既存サービスを組み合わせて新たなサービスを生み出すことが盛んに行われている。こうなってくると、開発者と利用者の境目は非常に曖昧で、開発者と呼ばれながらも角度によっては利用者に過ぎないといったケースが十分に生まれうる。
極端な表現だが、私が描いていたエンジニアなる将来像は、果たして大量生産された働きアリのような姿をしていたのだろうか。
技術が広まりインフラ化されると、それらを操る技術者も含め、きっとその価値は下がるのだろう。今のこの時代に、表計算ソフトを例え巧みに操ったとしても、誰も技術者とは呼んではくれない。
先輩の社員の方には、(謙遜だろうけど)「古い時代のアタマの固い人間だから新しいことはワカンナイ」と言って、閉ざしてしまう方もいらっしゃる。最近では、お客様の方が(「新しいもの好き」という性格が要因なのだろうけど)流行の技術に興味を持って調査されている方もいらっしゃって、こちらが慌てる場面も多い。
ドッグイヤーと呼ばれる業界の中で、「走り続けなければ」とか、「しがみ付いていかなければ」とか表現するつもりはない。少しの好奇心と興味を向けてみれさえすれば、次々にやってくる大きな波が刺激的なサーフィンが楽しめるもんだと気負わずにいる。
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SEって呼び方って、士農工商の農みたいな感じがする。
最近じゃ、打ち合わせ中に英語や中国語、ハングルでメモを取るSEが目に付くようになってきたし、そのうちSEも日本人が居なくなるか(そんな訳はないんだけど)。
これは日本沈没的な話ではあるけど、言語の壁と時差、物理的距離の問題がある程度クリアできれば、日本国内で日本人を使う意味って希薄になってきて、それはSEまでオフショア(?)されるのではなくて、ナカヌキされることを意味するわけです。
今の高校生や大学生が「コンピューター技術者」ではなくて「SE」として教育されているのを見ると、数年後潰しのきかないで路頭に迷う奴が大量に出てきそうで少し怖い。
結局グローバル化が進めば進むほど、マクロな視点から見れるビジネスセンスが必要となって、町工場の親父的なIT技術者が生き残る道の一つになるんじゃないかと思う。
日本人にしか作れない数キロバイトを作る人。これ。
おっしゃるように弊害が少なくなれば、高コストの日本人を使うことの意味が薄れるのは、ある意味当然の傾向のように思います。
よくよく考えてみれば、この業界の技術革新のスピードが若干早いというだけであって、新しいものを追い求めなければ陳腐化してしまって、低コスト圏に仕事が流れるのはどの業界でも同じことですね。
>・・・町工場の親父的なIT技術者が生き残る・・・
それ。ホント同感です。ですが、町工場における職人の暗黙知のように差別化できるなら一定のポジションを保てますが、ITに限っては(特に業務アプリを開発することに限れば)、誰にでもマネできる代物のようにも思えて些か不安です。