2006年11月アーカイブ

成功王

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成功王

成功王
道幸 武久 波多野 秀行 
ベストセラーズ
成功王(Amazon.co.jp)

こうにまでストレートだと、うさん臭さが拭えない第一印象。中身はマンガだし、と軽い気持ちで購入。なんともレジに持っていくのがコッ恥ずかしい「あら、この人冴えない顔して人生の『勝ち組』になろうとか思ってるんじゃないの」とかレジのお姉さんに思われてるんじゃないかと、過剰に周りを気にしながら手に入れた。

正直、こういった内容の本は「暑苦し」くて手に取ることはあまりないのだが、ちょっぴり興味がないわけではない。面白くなかったら、さらっと読んで(マンガだし)そのまま忘れてしまえば良いやと、10分の乗車時間と10分の発車待ち時間で読み終える。

想像に難くなく、内容はある男性が苦労しつつも成功するまでの自伝的内容。「あなたの夢は何ですか?」と主人公が問われたときに、自分を振り返って考え込んでしまったのと、成功とは4つのM(金銭、使命、名誉、メッセージ)のバランスで成り立っているという節は、他で得た考え(モチベーション)などとも相互にリンクして納得。それ以外は(マンガだから?)あまり印象に残っていない。

夢か。 夢ねぇ。

4つの資産 

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4つの資産──成功の黄金法則・僕の場合

4つの資産──成功の黄金法則・僕の場合
蟹瀬 誠一 
講談社
4つの資産──成功の黄金法則・僕の場合(Amazon.co.jp)

幾つかのTV番組のキャスターを務め、最近はジャーナリストとして有名な著者の半生に渡る経験を元に綴った投資哲学が彼自身の言葉によって綴られる。といっても、投資論に終始することはなく、むしろ将来への備え、人生の各ステップにおけるお金との付き合い方など、内容は人生哲学に近いとも言える。

最後の団塊の世代として、若くして資産形成への意志を固め、成長期と2度のバブル(不動産バブル、ITバブル)を潜り抜けてきた中で語られる言葉は、私が漠然と言葉にできず思い描いていたものだと共感しっぱなし。例えば、若いうちはマンションを購入せず臨機応変に賃貸に住まう方がリスクは小さいが、妻(女性)はよくマンション購入への憧れを強く抱くので説得が大変だ。なんて描写は、まさしく今の境遇にぴったりで、そのまま妻に煎じて飲ましてやりたいほどだ。

ただ、先日実家に帰省した際に、うちの親父から「おもろいぞ、読んでみぃ」と渡されたがあったので、お返しとばかりに昨日実家の親父に進呈してきた。著者が親父と近い年齢にあるし、「株式投資なんてゼロサムゲームだ」と、どこからか仕入れたポリシーを振りかざし、お前もそろそろマンションでも買ったらどうだ、と勧めてくる親父から崩してみようと思った次第だ。「マンションなんて今買わなくたって」と私が何度唱えるより、親父だってよく目にしたことのある蟹瀬誠一氏に言ってもらう方が、よっぽど説得力ある。

ブッダ―大人になる道

ブッダ―大人になる道
アルボムッレ スマナサーラ Alubomulle Sumanasara 
筑摩書房
ブッダ―大人になる道(Amazon.co.jp)

ちとあまりにも書名が露骨なので、掲載するか迷ったのだが、良かった本なのでやっぱ書く。

日本で言う仏教、いわゆる大衆向けのナントカ宗ってやつとは違って、本場の(イメージとしては、オレンジの袈裟巻いてるような)仏教の教えの基本が筋なのだが、新書として売られているだけあって、現代人の悩み相談的なスタンスで書かれているので、私のような超がつく凡人にもスッと頭に入ってくる。あまりに褒めてしまうと、現実逃避とか精神的に参っているとか思われそうで心配するのだが、日常のゴタゴタから半歩だけ身を引いて心をリセットさせてくれる。そんな読後感だ。

こんな本を電車で読んでいながら、駅からの帰り道に平気で歩きタバコでポイ捨てをする私。この矛盾の狭間で「完璧な人間なんていないじゃないか」と気張った緊張を解いて、それでも「やはり直すべきなんだろうな」と思ってみたり、んで結局「ま、皆それぞれ色んなモノ抱えて生きてんだな、それなりに仲良くやってけばいいじゃないか」と勝手にまとめて納得して。後から、何かに対する過剰な焦り、執着心や劣等感に囚われていることに気がついたり、かといって根拠のない明るい未来を妄想したりすることもなく、ふと自分のペースを再確認する。月並みな表現だが「肩の荷が下りる」感じが得られた。

波のうえの魔術師

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波のうえの魔術師

波のうえの魔術師
石田 衣良 
文藝春秋
波のうえの魔術師(Amazon.co.jp)

帰宅時に本屋に立ち寄るも、なんかこう私をくすぐる本に出会えずに文庫コーナーで手に取った一冊。確か、少し前にテレビでドラマ化されてたのを何度か見たのを思い出してフラッと購入。通勤時間1日半分をかけてノンストップで読む。この著者、売れっ子の書き手としてよく名前を耳にしたり、メディアで目にしたりするのだが、読むのは初めて。確か友人が「おもろいで」と言ってたのが印象的だったのも決め手になった。

青春小説として純粋にさくさく読み進められて楽しめた。さらに市場の「波」が同じ時間軸上で刻々と提示されるものだから「おー、好材料見つかってよかったやん、うは、折り込み済みなんかぇ!」と波に合わせてスリルとテンポが増して感じられる。読み手を良くも悪くも裏切ることなく、そのまま終わってしまうのかと思っていれば、最後にいいこと書いてある。

わたしは若い世代の数パーセントが、単なる投資の取り次ぎ業務ではなく、自分自身でリスクを負ってマーケットの荒波にのりだしていくといいと考えている。生き残る人間がそのさらに数分の一でも、彼らは自らの利益とこの国の富を殖やすための貴重な戦力となるだろう。

私は、別に株や信託、債権取引をやれば良いとは考えていなくて、証券口座の有無に関係なく、誰もが知らずのうちにマーケットに参加させられていて、気付かないうちに波に流され、知らない間に生まれるその「高低差(=利ざや)」は、誰かよって抜き取られていることがあるということを自覚せねばならない。波の上に漂っていることに気付かぬ間は、理由もわからずただ振り回されて気分が悪くなるだけだ。

やはり青春小説は、通勤時間には不適だった。オネーチャンの自宅へ初めて上がりこんで、一晩明かしたシーンで会社に着いてしまったりすると、朝から悶々としてしょうがない。

父親力

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父親力―母子密着型子育てからの脱出

父親力―母子密着型子育てからの脱出
正高 信男 
中央公論新社
父親力―母子密着型子育てからの脱出(Amazon.co.jp)

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊(うちでは未レビュー)の著者が、父親の役割について特化し研究をまとめたもの。子供の記憶の発達過程において、父親が教師役に適しているのは「自然、闇、野生」を教えることであり、それが子供の社会化を促す。など興味深い研究結果が数多く紹介されている。

実はこの人の書籍を読むのは3冊目で、かなり他の書籍と重複する内容が多い。なんだか、新規内容をチョロッと付け足して、後は既存の材料を再構成するだけの量産姿勢で完成したものではないだろうか、との不信が拭えない。2冊目でも同じ読後感を抱いたのだが、何しろ購入する際に、著者を確認しなかったのが誤りだった。もう4冊目を消費することはないだろう。

シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-

シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-
ジョエル・サルツマン 斉藤 裕一 
阪急コミュニケーションズ
シェイク・ブレイン -脳をゆさぶり、創造力をつけろ!-(Amazon.co.jp)

成功するアイデアは必ずと言っていいほど最初はバカにされるものだ、とか、先入観を疑おう、ネガティブ(弱み)をそのまま強み(ポジティブ)に変えよう、など問題解決のための発想やアイデアの生み方、膨らませ方、広め方などを主眼に書かれた、まさに自己啓発セミナー的内容。

「~しなくてはならない」ではなく、とりあえず完璧でなくても楽しみながら取り掛かってみようというスタンスがストレスにならず、軽快に読み進められる。引用の数がすごい、ビジネスの成功者、スター歌手、映画監督、芸術家から哲学者、数学者など、ありとあらゆる先人の成功哲学が紹介されている。私は世界一のバッターだ、と唱えながら自分でトスを繰り返しては、バットを空振りさせてしまい、悩んだ末に発した言葉が「私は世界一のピッチャーだ」といった具合のバカさ加減。バカらしいのだが、なんだかその考え方はステキな感じがしてしまうのだ。

何かに行き詰ってからこの本を手に取ったら、まどろこしくて素直に読めないかも知れない。漠然とした危機感、なんとも言えない閉塞感に思い当たる節があるなら、ブレイクスルーの良きエンジンとなってくれよう。

オープンソース徹底活用 Ploneによる簡単Webコンテンツ管理

オープンソース徹底活用 Ploneによる簡単Webコンテンツ管理
寺田 学 伏見 潤 永井 孝 CMSコミュニケーションズ 
秀和システム
オープンソース徹底活用 Ploneによる簡単Webコンテンツ管理(Amazon.co.jp)

CMSツールとして最近知ったPlone。その概要と「触り」が知りたくて、会社前の書店にて購入し、そのまま地下鉄(20分)で斜め読み終える。もったいない?とも一瞬思えたのだが、情報収集しにくいwebと違って、体系的に概要がまとめられているので、「何が、どんな事ができるか」は短時間で理解できた。

Ploneは、首相のサイトでも利用されているなど実績が増えてるのと同時に広まってきているらしい。Movabletypeと違って、商用でも利用できるうえ大規模サイトでの利用も想定されているようだ。しかも、サイトを構造化してモジュール単位で管理でき、カスタマイズの自由度も大きそうだ。何よりユーザー導入しやすいWYSWYGエディタで更新可能。これだけのことが帰りの地下鉄の中で収集できて、使えそうだと判断できたとすれば、\2,100の書籍を帰宅途中で読みきったとしても損した気分にはならない。

本業で、副業で、使いたいところ(少なくとも、使えるかどうか検討を進めてみようと思うところ)が幾つもある。ベース言語がpythonってところが参入障壁だが、それでもっても、これはアリかも知れないと思える。早速自宅のマシンに入れて試してみよう。

「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ

「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ
江 弘毅 
講談社
「街的」ということ――お好み焼き屋は街の学校だ(Amazon.co.jp)

著者が友人のオジサンであると聞いて、早速読んでみる。知人曰く「家にあるから貸してあげるのに」と言ってくれて、それもそうだなぁ、とか思っていると「・・・家にあったよ、たぶん」とさっきより若干曖昧になってしまった。どうやら友人の彼は、まだ読んでいないらしい。ミーツ・リージョナルの前編集長として関西の街を見てきた著者が、街はもちろん、田舎モンやメディア、店や酒について語り、街の本当の楽しみ方を教えてくれる。

ここまでの情報だけで、私もついつい軽い気持ちで手に取ったのだが、斬るところはバッサリ斬りつつ「街」論が展開され奥が深い。流行りモノを追いかけるメディアの風潮に疑問を投げながら、街のでき方、街との付き合い方、学び方などじっくり腰を据えて街と向き合うことを教えてくれる。互いの体力、気力の続く限り新しいものを供給し、消費し続けるのではなく、持続可能な需給スタイルが見えてくる。

そう、「マーケティング」などと、もっともらしいカタカナで表現すると本書の趣旨に反するかもしれないが、肩に力の入らない(持続可能な)消費者の姿が思い描ける。うまく表現できないのでとかく読んでもらいたい。最近よく読む内田樹氏が終わりに解説を書かれていて、これまた面白い。

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