帰宅時に本屋に立ち寄るも、なんかこう私をくすぐる本に出会えずに文庫コーナーで手に取った一冊。確か、少し前にテレビでドラマ化されてたのを何度か見たのを思い出してフラッと購入。通勤時間1日半分をかけてノンストップで読む。この著者、売れっ子の書き手としてよく名前を耳にしたり、メディアで目にしたりするのだが、読むのは初めて。確か友人が「おもろいで」と言ってたのが印象的だったのも決め手になった。
青春小説として純粋にさくさく読み進められて楽しめた。さらに市場の「波」が同じ時間軸上で刻々と提示されるものだから「おー、好材料見つかってよかったやん、うは、折り込み済みなんかぇ!」と波に合わせてスリルとテンポが増して感じられる。読み手を良くも悪くも裏切ることなく、そのまま終わってしまうのかと思っていれば、最後にいいこと書いてある。
わたしは若い世代の数パーセントが、単なる投資の取り次ぎ業務ではなく、自分自身でリスクを負ってマーケットの荒波にのりだしていくといいと考えている。生き残る人間がそのさらに数分の一でも、彼らは自らの利益とこの国の富を殖やすための貴重な戦力となるだろう。
私は、別に株や信託、債権取引をやれば良いとは考えていなくて、証券口座の有無に関係なく、誰もが知らずのうちにマーケットに参加させられていて、気付かないうちに波に流され、知らない間に生まれるその「高低差(=利ざや)」は、誰かよって抜き取られていることがあるということを自覚せねばならない。波の上に漂っていることに気付かぬ間は、理由もわからずただ振り回されて気分が悪くなるだけだ。
やはり青春小説は、通勤時間には不適だった。オネーチャンの自宅へ初めて上がりこんで、一晩明かしたシーンで会社に着いてしまったりすると、朝から悶々としてしょうがない。