2006年12月アーカイブ

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
ジェームズ・C. コリンズ ジェリー・I. ポラス James C. Collins Jerry I. Porras 山岡 洋一 
日経BP出版センター
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則(Amazon.co.jp)

かなりの分量になる本だが、今まで読んできた本などで数多く引用されていたことなどから挑戦することに。

名著と言われるだけあって、出発となる視点や、そこからの展開は、他のビジネス書とは明らかに何か違うのが冒頭から感じられる。長く続く企業の共通点、特に「企業理念」という、反実践的のようで漠然とした要素にスポットを当て、極度に実践(ハウツー)に落とし込むことなく、また理念ばかりを唱えることのない、理論-実践の微妙な狭間を絶妙な押し具合、引き具合で、共通点として見られた企業理念について調査の結果が述べられていく。

企業理念は、組織内のあらゆる者が、事の大小に関係なく、意思決定の判断基準となるべく一貫したものでなければ価値はない。読んでいて、別に組織の話ではなくとも、個人にもあてはまるはずだと思えた。そう、日々の押し寄せる意思決定の度に、毎回軸ブレを起こして迷うことで心の平安が崩されることを思うと、大義(志と言ってもよいだろう)を見出した人間の、またそれを保持できる人間は、きっとほんとに「強い」んだろう。

レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング
本田 直之 
東洋経済新報社
レバレッジ・リーディング(Amazon.co.jp)

本読みを勧める本。速読ではなく多読に主眼を置き、そのエッセンスを抽出して不要な部分は大胆に読み捨ててしまう方法が紹介されている。読書の効率性や戦略性を重視するなど、読書を完全なまでに自己投資の対象と位置付けきっているのは新鮮である。自分の腹に落ちたもの、メモ書きによって転記したエッセンスのみをストックとして扱い、書籍そのものはフローと捉えるために、とにかく多くの種類の書籍を読むことが必要とされる。

ただ、購入した書籍に線を引くことと、読み終わった本を(線が引いていて売れないから)捨ててしまうのは、私にとっては考えられない。というか、そもそも、ハウツーばかりの内容の本なら、読み捨てるべき部分は多いだろうが(まさに、この本そのものだ!)、教科書的内容のものや技術書などではそれが難しい。

この本の中に、月額の書籍代の平均が示されていたが(3000円未満が68%らしい。書籍1冊、コミック数冊ってか?)、日頃書籍を読まない人にとっては、取っ掛かりとして読んでみると良いかもしれない。書籍に多く触れることの意義は、前置きとして十分にページが割かれている。私にとっては「読み捨て箇所」に近いものではあったが。

Web解析Hacks

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Web解析Hacks ―オンラインビジネスで最大の効果をあげるテクニック & ツール

Web解析Hacks ―オンラインビジネスで最大の効果をあげるテクニック & ツール
Eric T. Peterson 株式会社デジタルフォレスト 木下 哲也 有限会社 福龍興業 
オライリー・ジャパン
Web解析Hacks ―オンラインビジネスで最大の効果をあげるテクニック & ツール(Amazon.co.jp)

実は、webアクセス解析についてはあまり詳しくなかった。PV、CPC、コンバージョン、ビーコン、、ちょうど仕事で使うことがありそうなので、ここいらで勉強してみようと購入。併せて実験台として、自分のサイトにもサーバーログ解析のみならず、ビーコン(無色の1x1pixel画像を埋め込みアクセス情報を取得するもの)による解析も加えてみた。

難しい。これをきちんと理解し、使えるようにするには本当に難しそうだ。そもそもビーコンの埋め込みやサードパーティのcookie利用に関する批判的な意見も多いんだから、まず「実施する理由」をきちんと確立しなくてはいけないのだが、それを考えるだけでも相当時間がかかりそうだからだ。後になって「え、そもそも何がしたいの?」なんて立ち返る事例なんぞ、山ほどあるのだろう。

本書では、いつものようにhacksの書名を裏切らないソースコードがたんまりと記載されているが、それと同じくして基本的な考え方や利益への結びつけなど、ハッキングらしからぬビジネス的な話題も豊富に述べられているから、読んでいても飽きない(ソースコードばかりでも私は飽きなかったりするが)し、読者ターゲットとしては広く捉えられるかも知れない。執筆陣はWEB解析の中心的存在が多いらしく、世の動向から外れることはないだろう。

この内容をきちんと理解しようとするには、マーケティングのお勉強が必須だと改めて実感。「マーケティングってあれやろ、4Pやろ?」というぐらいのレベルでは、雰囲気理解したつもりでも使いこなすことはできなさそうだ。近いうちにもう一度読み直したい。

BIND入門

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BIND入門

BIND入門
榊 正憲 
アスキー
BIND入門(Amazon.co.jp)

DNSの仕組みが全く判らない、というか非常に強い苦手意識を持っているみたいな話をすると、先輩が丁寧に(そして少し嬉しそうに)本書を紹介してくれたので、そのまま借りてきた。なるほど「これは程よくまとまっていて良い」とのレビュー通り、最初に読むにはうってつけかも知れない。概ね、仕組みは理解。

なるほど、自宅サーバーではDNSを設置せずよそに任せッきり、しかも求められた設定は雰囲気で乗り切っていたのだが、なんとなく自分で設定していた値の意味が飲み込めてきた。やはり深く学ぶには自分で立ち上げるのが一番なのだろうか、若干苦手意識が抜けない(逆引きの意味がわからん)ので、あまり気が進まない。

しかし、仕事でVB書いて、photoshopで画像修正しながら、BINDの本でスキルを磨くとは、一体私はどんなSEなのだ。良く言えば、持ってるスキルをフル活用できている、悪く言えば、うまく労働力を搾取されているということか。

金持ち父さんの起業する前に読む本 -ビッグビジネスで成功するための10のレッスン

金持ち父さんの起業する前に読む本 -ビッグビジネスで成功するための10のレッスン
ロバート・キヨサキ シャロン・レクター 白根 美保子 
筑摩書房
金持ち父さんの起業する前に読む本 -ビッグビジネスで成功するための10のレッスン(Amazon.co.jp)

金持ち父さん貧乏父さんシリーズの新書。起業に焦点を当てた内容で、投資や運用の話はほとんど出てこない。

「使命」の確立を主軸とし、製品(サービス)、法律、システム、コミュニケーション、キャッシュフローのビジネスの構成要素を固めてかかるべきと説く。気の遠くなるような努力と不断の学習が必要であると改めて思い知らされる。自身や取り巻く人々のの成功・失敗を余すことなく事例として紹介しつており、飽くことなく一気に読み終えた。

本人がいなくてもビジネスが回り始める瞬間を「針の穴をくぐる」と表現するのには、今の自分に重ねてみても強い納得が得られる。今より大きな仕事をこなそうとすれば、自分自身の身体は針の穴を通り抜けられないために、置いていかなければならない。針の穴をくぐって次の世界に進めるには、自分の体を動かしていたのではビジネスは大きく成長していかないということ。針の穴をくぐれるのは、自分の仕事の進め方や、知的財産、理念など形のないものだけであることを理解。なるほど。

この国のかたち

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この国のかたち〈1〉

この国のかたち〈1〉
司馬 遼太郎 
文藝春秋
この国のかたち〈1〉(Amazon.co.jp)

久々に書店で司馬遼太郎を手に取った。以前と違い、今回はエッセイに挑戦である。歴史小説で日本を語り続けてきた著者の日本像、日本人像を改めて描くエッセイ。政治について、戦争責任、公私の分別、宗教観、身分制度やら、旧来日本人が持つ美徳感覚などを、近隣諸国や欧米諸国との違いなども例に日本人像を浮き彫りにしていく。 全体を通しての所感は、日本って良いとこだな、と改めて(というか初めて?)感じ、日本人に生まれたことを少しながら誇りに感じられたことに尽きようか。何より、この澄んだ日本で書かれたこの文章そのものを大事にしたいと素直に思えたことが大きな収穫かも知れない。 「過去は振り返らない」と屁理屈を並べて、歴史の授業から逃げ続けた学生時代。もう少しきちんと勉強しておいたら、これ読むのがもう少し楽だったろうにな。と少しばかり反省。

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