2007年1月アーカイブ

Ajax逆引きクイックリファレンスWeb2.0対応for Windows & Macintosh

Ajax逆引きクイックリファレンスWeb2.0対応for Windows & Macintosh
古籏 一浩 
毎日コミュニケーションズ
Ajax逆引きクイックリファレンスWeb2.0対応for Windows & Macintosh(Amazon.co.jp)

AjaxについてのリファレンスとTIPS集が入り混じった一冊。私は、横着なので新しい技術の習得の際には基礎からコツコツ始めるのではなく、まず「何が(どんなことが)できるか」をまず把握したい派。そういった意味で、本書については後半に書かれている各種Webサービスとの連動や、流行のライブラリを用いた画面エフェクトなんかを一通り見通して、想像力(妄想力)を膨らませて、興味とモチベーションを掻き立ててから、前半のXML通信などの基礎に戻って子守唄ゾーンを乗り切る。こういった書籍は、欲しい技法が見つからないか、技法は見つかっても基本的な書き方が見つからずつまづくかのどちらかで使えなかったりするのだが、その点、ある程度のところはこの一冊でカバーできそうだ。著者の運営するサイト(OpenSpace)も後日ゆっくり拝見したい。

見た目が派手な技術な分、見てて退屈することがなくPGの血が沸き立つのだが、またもや派手過ぎてシンプルなUIを回顧したり、廃れたりしていくのだろうな。とか思うと少し尻込み。

サラリーマンは2度破産する

サラリーマンは2度破産する
藤川 太 
朝日新聞社
サラリーマンは2度破産する(Amazon.co.jp)

資産計画についての内容を、タイトルどおりサラリーマンに向けて分かりやすく書かれている。おすすめしたい。

お金に関するちょっとした知識や関心は、その後の人生における豊かさを大きく左右すると本当に思う。お金は人間にとっての血液のようなものだ、とはよく言ったもので、体内を循環するそのメタファーもそうだが、人間は血液が必要不可欠だけれども、決してを求めて生きているのではない。これからまだまだ続く人生の中で、もし貧血を起すようなことがあるとしたら、それはどういった原因によるものだろう。
読後感としては、タイトルのとおり若干不安を煽りすぎな印象を受けるが、全体のながれとしてはきちんと、浪費を控えることから始まり資産を運用することへ繋がっていくので、クセの強くないフラットな内容な感じがする。逆に、万人向けの内容のような気がして、個人的にはインパクトを受けるようなものがなかったのが若干残念。20代のいま、やっておくべきお金のことは、さらに分かりやすく、ホントに20代(就職したらすぐ読むぐらいでもタイミングとして良いと思う)の人にはオススメ。今日の日銀利上げ見送りのニュースに全く関心がない(てか知らない)とか、証券取引とかやってみたい人とかは読んでみるとよいかも。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則
ジェームズ・C. コリンズ 山岡 洋一 
日経BP社
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則(Amazon.co.jp)

前著が、優れた業績を「持続」させる企業の共通点を見出したのに対し、今回は、そもそも企業が大きく飛躍するポイントに焦点を絞り、その内部で起きている仕組み造りなどについて言及されている。

業界で決してトップではない平凡な企業が、あるタイミングを境に驚異的な伸びを示し、業界の中でも偉大と呼べる企業であるという賞賛を獲得する。その秘訣を探りに再度調査を進めた著者が得た答えは「不断の努力」。これだけを見たら、なんだふーん、てな感想を漏らしてしまうのだが、努力対象の定め方、即ち戦略の立て方や人材の確保、組織内の規律や先端技術の利用などにおいて特徴があり、前作でも主眼となっていた企業理念を中心とした施策の積み重ねだと主張する。

卵があると考えてみよう。はじめはだれも興味を持たないが、ある日、殻が割れて仲から雛が出てくる。著名な新聞や雑誌がこの話題に飛びつき、「卵が雛に変身」「卵のおどろくべき革命」「卵の目覚しい転換」といった特集記事を掲載する。卵が一夜にして変容し、根本的な変化を遂げて雛になったかのようだ。 しかし、雛から見ればどうだろう。見え方がまったく違っている。眠ったように見える卵を世間が無視している間に、雛は少しずつ大きくなり、変化し、孵化したのである。雛の観点からは、卵を割るのは長い時間をかけてたどってきた過程をもう一歩進めたものにすぎない。たしかに大きな一歩ではあるが、外部から眺めたときの印象とは違って、根本的な変化というわけではない。

ついつい手っ取り早い答えを欲してしまうところだが、つまりはそういうことなのだろう。非現実的な距離でなければ、最終目的地は遠いほど選べるルートは多い。意識をしないと、日頃分かれ道に悩まされ続けているにも関わらず、最終目的地が見えなくなる。。早くこの呪縛から解放されたい。

ウェブ人間論

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ウェブ人間論

ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎 
新潮社
ウェブ人間論(Amazon.co.jp)

Webの発展とこれから始まる大変化は、Web進化論で述べられており、ひとしきり行き渡った感があるのだが、その上でウェブによって起きる変化によって、社会、そして人間はどう変わってゆくのかという点について、文学という異なる世界に住む平野啓一郎氏との対談の記録。

なんだかすごく変わりそうだ、とは共通しているものの、視点や価値観など様々な点で相違する二人は、言葉を慎重に選びつつお互いの考えをぶつけていく。単に「そうですよねぇ」なんて同意して思考停止して終わることなく、それこそ互いの価値観にまでえぐり込むぐらいにまで議論が活発だ。自分の中で感じている言葉になりにくい部分を慎重に表出化し、それを相手が内面に持つものと照らし合わせて、その同意点、相違点をまた表出化する。ある時は映画「スターウォーズ」に出てくるダークサイドなどといったメタファーも出てきては議論に一定の方向感が見えてくる。議題となる話題はもちろんのことながら、こんなにスリリングさが心地よい対談があろうか。

「情報は流しそうめんに」という節で平野氏が次のように述べている。

例えば、読書体験にしても、かつてはある本にたどり着くまでには、ある一定の読書体験というものがあったはずなんですね。大体、どういう本を読んでいるかを聞けば、その人の読書体験がどんなもので、どんなことを考えているかが分かる。というのが昔でしたけど、今は脈略がないんですね。

これを読んで、この間iTuneで久しぶりに音楽を購入しようとした際、今まで知らなかったアーティストの、しかも今自分が聞きたかった感じの音楽にすぐに(しかも充分に視聴したうえで)出会えてしまったことが、大変嬉しくもあったのだが、なぜだか少し寂しい感じがしたのを思い出した。書籍に限らず音楽にしても、自分に本当にぴったりのモノにめぐり合うには、その周りの情報にシソーラス的(ここで述べられている脈略部分)にアクセスした結果の集大成として得られるものであったはずであり、その過程で自分の「ピッタリ」の位置が微妙に移動したりしたはずだった。しかし、あまりにもあっさり中心(と今は思い込んでいる)ものにアクセスできたために、ちょっとした燃え尽きた感が生まれた気がしたのだ。iTuneで音楽を購入する場合には、後々になって気に入るようになったハズレを買うことも、ジャケ買いで思いもせぬ成果が得られる感覚も得られにくい。自分の好みすらも今までにないスピードで変わっていくようになるのだろうか。

道は開ける

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道は開ける 新装版

道は開ける 新装版
デール カーネギー Dale Carnegie 香山 晶 
創元社
道は開ける 新装版(Amazon.co.jp)

1944年に書かれたものでありながら、今でも読み継がれている古典的名著。なんだかガッツリ読み応えのあるものをこの冬にじっくり読みたくて挑戦。とても半世紀にも以前に書かれた内容とは思えないほど、今の人の悩みや迷いをズバリと言い当てるかのように、「悩み」の捉え方や向き合い方、自己認識の仕方からそれらを前向きに転化させる方法について、著者が様々な多数の、ほんとに多数の(多すぎ)事例を挙げながらやさしい言葉で導いていく。

表現上では「こうしてみよう」などの実践的内容が多いのだが、その根底から見出せるのは、薄っぺらいハウツーではなく、避けきれない悪環境下での心の持ち様や汎用的な問題解決の方法など、自分に合った「生きるうえでの知恵」だ。

事あるごとに(あまり事が多くあって欲しくないが)読み返したい、読後にすぐそう思えるのも、長く読まれている理由なのかもしれない。

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