2007年8月アーカイブ

暗号解読

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暗号解読 上巻

暗号解読 上巻
サイモン・シン 青木 薫 
新潮社
暗号解読 上巻 (Amazon.co.jp)

暗号にまつわる歴史を紐解き、そこに関わる暗号作成者と暗号解読者の攻防が、人間模様や社会情勢などを交えながら色鮮やかに描かれる。そもそも暗号が生まれた時から遡って描かれるため、原始的な仕組みから順を追って説明されるので、その時代の暗号の仕組みが判らないという事態が、読み進める楽しみを遮ることなく暗号の世界を案内してくれる。

こうにも日の目を見ない重苦しいテーマについて、あたかも冒険小説であるかのように未知の好奇心が持続できるのは、「あぁこれが解析されちゃ、これ以上強固な暗号なんてできっこない」だの「あぁこれほど複雑で少ないヒントでは解析できる訳がない」と何度も思わされるも、時代が進むに従って暗号作成者・解読者の優劣が何度も入れ替わり、その度に自分が成し遂げた訳でもないのに、なんだか晴れ晴れしい気分になれるからだろうか。

単純な文字の加除変換などによる難読化から、戦時中に大きな役割を果たした「エニグマ」、さらには現代においてコンピュータ通信で標準的に使われている暗号方式から、将来的な量子暗号まで続く案内は、読み物としてはもちろん、教養としても知っておいても無駄にはならないだろう。

何もかもそっちのけで一気に読んでしまった。こういった「科学」って、人間の何か根源的な好奇心を掻き立てられるなぁと改めて感じたのと(ムチャクチャ少し抽象的な感想だが)、こうした過去の偉人達の業績が、文字通り「積み重なって」今の生活基盤を成しているのだなぁ、と低俗な感想を吐き出してみる。

付録に「史上最強の暗号」と題した問題が付記されている。大丈夫、心配しなくても欠片も判らないから。

ロストジェネレーション―さまよう2000万人

ロストジェネレーション―さまよう2000万人
朝日新聞「ロストジェネレーション」取材班 
朝日新聞社出版局
ロストジェネレーション―さまよう2000万人(Amazon.co.jp)

現在、25~35歳にあたる世代はおよそ2,000万人いるそうだ。朝日新聞の当取材班がこの世代を「ロストジェネレーション」と名づけ、その不遇とその中での苦悩や奮闘を追いかけて綴っている。ようやく景気回復の兆しが見え始めた世の中だが、これらの世代は、最も景気の良い時代に生まれながら、バブル崩壊後に続く戦後最長の景気停滞期に社会人となり、終身雇用や年功序列、年金制度崩壊などそれまでの社会システムが大きく崩れ去るさなかに社会に放り出された世代であると述べる。
時代の谷間の深さや、そこで彷徨う様子が描かれた後には、身についた自己防衛の術、横並びでない自分らしさの追求から、彼らの挑戦や次の時代につながる人生観などが徐々に浮かび上がってくる。

一連の格差社会を論じたものとカテゴライズされてしまうのだろうか、自分が年齢的な意味でこの世代の中心的ポジションにあることから感慨深いものがある。自分の世代が「損」だとか「得」だとか、「上の世代が悪い」とか「やっぱ自分が悪い」とかは、できれば一切判断したくない。たとえ「おまえめちゃイジメられてるやん」と気付かされても、そのヤな経験でも、そこから学んだ強さは大事にしたいというような矛盾をはらむ感覚。悪く言えば「誰も信用できない」良く言えば「誰にも頼らない」そんな表現が飛び交い倒錯する時代のど真ん中に自分の身がおかれていることがハッキリと認識できる。

この時代に合った「生き方」を誰よりも模索し、確立して、新しいお手本のひとつとなりたい。今まで当たり前であった常識が全て覆るようなこれからの時代に、「あんな大人になりたい」と思ってもらえるような生き方をしたい。

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