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ロストジェネレーション―さまよう2000万人

ロストジェネレーション―さまよう2000万人
朝日新聞「ロストジェネレーション」取材班 
朝日新聞社出版局
ロストジェネレーション―さまよう2000万人(Amazon.co.jp)

現在、25~35歳にあたる世代はおよそ2,000万人いるそうだ。朝日新聞の当取材班がこの世代を「ロストジェネレーション」と名づけ、その不遇とその中での苦悩や奮闘を追いかけて綴っている。ようやく景気回復の兆しが見え始めた世の中だが、これらの世代は、最も景気の良い時代に生まれながら、バブル崩壊後に続く戦後最長の景気停滞期に社会人となり、終身雇用や年功序列、年金制度崩壊などそれまでの社会システムが大きく崩れ去るさなかに社会に放り出された世代であると述べる。
時代の谷間の深さや、そこで彷徨う様子が描かれた後には、身についた自己防衛の術、横並びでない自分らしさの追求から、彼らの挑戦や次の時代につながる人生観などが徐々に浮かび上がってくる。

一連の格差社会を論じたものとカテゴライズされてしまうのだろうか、自分が年齢的な意味でこの世代の中心的ポジションにあることから感慨深いものがある。自分の世代が「損」だとか「得」だとか、「上の世代が悪い」とか「やっぱ自分が悪い」とかは、できれば一切判断したくない。たとえ「おまえめちゃイジメられてるやん」と気付かされても、そのヤな経験でも、そこから学んだ強さは大事にしたいというような矛盾をはらむ感覚。悪く言えば「誰も信用できない」良く言えば「誰にも頼らない」そんな表現が飛び交い倒錯する時代のど真ん中に自分の身がおかれていることがハッキリと認識できる。

この時代に合った「生き方」を誰よりも模索し、確立して、新しいお手本のひとつとなりたい。今まで当たり前であった常識が全て覆るようなこれからの時代に、「あんな大人になりたい」と思ってもらえるような生き方をしたい。

ウェブ人間論

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ウェブ人間論

ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎 
新潮社
ウェブ人間論(Amazon.co.jp)

Webの発展とこれから始まる大変化は、Web進化論で述べられており、ひとしきり行き渡った感があるのだが、その上でウェブによって起きる変化によって、社会、そして人間はどう変わってゆくのかという点について、文学という異なる世界に住む平野啓一郎氏との対談の記録。

なんだかすごく変わりそうだ、とは共通しているものの、視点や価値観など様々な点で相違する二人は、言葉を慎重に選びつつお互いの考えをぶつけていく。単に「そうですよねぇ」なんて同意して思考停止して終わることなく、それこそ互いの価値観にまでえぐり込むぐらいにまで議論が活発だ。自分の中で感じている言葉になりにくい部分を慎重に表出化し、それを相手が内面に持つものと照らし合わせて、その同意点、相違点をまた表出化する。ある時は映画「スターウォーズ」に出てくるダークサイドなどといったメタファーも出てきては議論に一定の方向感が見えてくる。議題となる話題はもちろんのことながら、こんなにスリリングさが心地よい対談があろうか。

「情報は流しそうめんに」という節で平野氏が次のように述べている。

例えば、読書体験にしても、かつてはある本にたどり着くまでには、ある一定の読書体験というものがあったはずなんですね。大体、どういう本を読んでいるかを聞けば、その人の読書体験がどんなもので、どんなことを考えているかが分かる。というのが昔でしたけど、今は脈略がないんですね。

これを読んで、この間iTuneで久しぶりに音楽を購入しようとした際、今まで知らなかったアーティストの、しかも今自分が聞きたかった感じの音楽にすぐに(しかも充分に視聴したうえで)出会えてしまったことが、大変嬉しくもあったのだが、なぜだか少し寂しい感じがしたのを思い出した。書籍に限らず音楽にしても、自分に本当にぴったりのモノにめぐり合うには、その周りの情報にシソーラス的(ここで述べられている脈略部分)にアクセスした結果の集大成として得られるものであったはずであり、その過程で自分の「ピッタリ」の位置が微妙に移動したりしたはずだった。しかし、あまりにもあっさり中心(と今は思い込んでいる)ものにアクセスできたために、ちょっとした燃え尽きた感が生まれた気がしたのだ。iTuneで音楽を購入する場合には、後々になって気に入るようになったハズレを買うことも、ジャケ買いで思いもせぬ成果が得られる感覚も得られにくい。自分の好みすらも今までにないスピードで変わっていくようになるのだろうか。

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